ギターのチューニングが不安定で、ライブや録音時に困った経験はありませんか?
定番の改造ながら、ギターパーツの中でも意外と見落とされがちな「ペグ」。
今回は、チューニングの安定性に定評のある「Schaller M6」ロトマチックペグについて、仕様やペグボタンの種類を中心に、自分なりにまとめまてみました。
購入を検討している方や、パーツ交換で見た目や音・操作性の向上を目指す方にとって、ペグ選びの情報収集のひとつになれば幸いです。
「ペグで失敗したくないな」と思っている方に、少しでも参考になる内容になっていたらうれしいです。
本記事では、購入前の情報収集に役立つよう、「ペグの仕様」や「ペグボタンの種類と選び方」をわかりやすく解説。
見た目の印象だけでなく、音のニュアンスにも関わる部分でもあるので、ギターのスタイルや演奏スタイルに合わせて選ぶのがおすすめです。
Schaller M6とは?精密なロトマチックペグの魅力
Schaller M6とは【ドイツ製ペグの信頼性と精度】
Schaller M6とは、ドイツの老舗パーツメーカーSchaller社が製造する高品質なギターペグのひとつです。
定番モデルの“M6シリーズ”は、精密なチューニングと耐久性が魅力で、取り付け方式は「ロトマチック・タイプ」
ノーマルタイプに加えロック式(Locking)、ミニサイズなどバリエーションも豊富にあります。
ロトマチックペグとは?【他構造との違い・マシンヘッドの基本設計】
ギターに取り付けられているマシンヘッド(ペグ)の種類には、基本設計により大別すると以下の2種類があります。

ひとつは、Kluson「vintage style」に代表される「ヴィンテージ・タイプ」
もう一つは、Groverや今回紹介するSchallerに代表される「ロトマチック・タイプ」です。
「ロトマチック・タイプ」とは、ヘッドストック裏のビス止めだけでなく、ヘッドトップ面からもナットで固定する仕様。
今回紹介する「Schaller M6」も「ロトマチック・タイプ」です。
“Schaller ペグ”の検索結果
基本仕様(M6シリーズ共通)
特徴
- 密閉ギア構造によりホコリ・摩耗・衝撃に強く長寿命
- 高精度ギア比で微調整がしやすく、ストレスなくチューニング可能
- ワッシャーにツバが付き、シャフトの芯ブレを防止
- ロック式タイプではチューニングの安定性がさらに向上
- スタイリッシュなデザインで多くの高級ギターにも搭載
Schaller M6 ペグの基本仕様【ペグ配置・取り付け互換性のポイント】
項目 | 詳細内容 |
---|---|
製造国 | ドイツ(精密部品で定評) |
タイプ | ロトマチック方式(密閉型ギア) |
ギア比 | 1:18(スムーズなチューニングが可能) |
バリエーション | 通常タイプ、ロック式、Miniタイプなど |
対応ヘッド | 6連 inline または 3+3 の両方に対応 |
軸径(シャフト径) | 約10mm(取付時は確認要) |
マウント方式 | ビス止め(取り付けビス & ブッシング同梱) |
取付リグ | スクリュー式(リグ角度:90°/135°/180°など) |
材質 | 高耐久金属(アルミ、ステンレスなど) |
カラー展開 | クローム、ブラック、ゴールド 他多数 |
ロック機能(モデルによる) | 有り(Lockingタイプ)/無し(Standard) 弦を固定し、巻き取り“減”(チューニングが安定) |
リグ(取り付けビスの位置)
リグとは、ヘッド裏にマシンヘッドをビスで固定するために設置された、“ツバ出し”部分のことです。
リグの種類
「Schaller」のリグ取付位置には名称があります。

M6の代表的なモデル例
「M6」の各モデル名は、取付方式により『M6+“○○”』で分類されます。
“○○”に入る型式の数字は、シャフトに対するビス穴位置(リグ)の角度から付けられています。
代表的なモデル
【モデル名】 | 【リグの種類】 | 【リグ位置】 |
---|---|---|
90 | センターリグ | ビス穴90°の位置。 ビス穴がギアボックスの真下にあるタイプ |
135 | 斜めリグ | ビス穴が135°の位置。 ビス穴がギアボックスの斜め横にあるタイプ |
180 | サイドリグ | ビス穴が180°の位置。 ビス穴がギアボックスの横にある一般的なタイプ |
Pin | リグなし | フェンダー系の2ピン固定方式に対応。 USA製フェンダーとの互換性あり。 |
備考
【モデル名】 | 【備考】 |
---|---|
90 | ストレートリグ / センターリグ あり |
Mini | 小型化・軽量化モデル。ダブルリグ仕様あり |
Locking | ロック機構付きで、チューニングの安定性がさらに向上。 |
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ペグボタンの種類と選び方【ボタン素材とカラーバリエーション】
Schallerのペグボタンには、形状・素材・サイズのバリエーションが豊富にあり、ボタン部分を交換することでルックスや演奏性をカスタマイズできます。
以下に代表的な形状と特徴をまとめました。
※以下には、廃番や、年式・モデルによる限定仕様の場合もあります。
ボタン素材
- Metal(メタル)
- Ebony(エボニー)
- Perloid(パーロイド)
- Galalith(ガラリス)
- Polybone(ポリボーン)
カラーバリエーション
- Nickel
- Chrome
- Black Chrome
- Satin Chrome
- Gold
- Ruthenium
- Vintage Copper
ペグボタンの種類(M6用)
シャーラーM6シリーズのペグボタンには、形状・素材・サイズのバリエーションが豊富にあります。以下に代表的な形状と特徴をまとめました。
主なペグボタンの種類(M6シリーズ対応)
シャーラーM6シリーズのペグボタンは、少なくとも12種類(+1)以上の形状・素材バリエーションが確認されています。以下に代表的なタイプを一覧でご紹介します。
- Small Perloid:小型・パール調アクリル
- Large Perloid:大型・パール調アクリル
- Small Ebony:小型・黒檀風(木目調)
- Large Ebony:大型・黒檀風(木目調)
- Small Metal Chrome:小型・クロームメタル
- Large Metal Chrome:大型・クロームメタル
- Large Metal Gold:大型・ゴールドメタル
- Vintage Step Chrome:段付き・クローム仕上げ
- Vintage Step Gold:段付き・ゴールド仕上げ
- Vintage Chrome:クラシック形状・クローム
- Vintage Gold:クラシック形状・ゴールド
- White Button:無地ホワイト
- Triangle Metal:キーストーン・メタル
Keystone(キーストーン)型とは?
- Gibson系ギターに多く見られる、クラシックな“キーストーン”型のペグボタン
- SchallerでもKeystone風のボタンを装着したモデルあり
- 見た目のレトロ感と操作性のバランスが人気
素材別ボタンの特徴(エボニー/メタル/パーロイド)と印象
素材 | 特徴 |
---|---|
Metal(メタル) | 耐久性が高く、シャープな印象 |
Ebony(エボニー) | 高級感があり、手触りも◎ |
Perloid(パーロイド) | 軽量でクラシカルな印象 |
ペグボタンの主な形状タイプによる特徴と印象
形状によっては「Small」「Large」のサイズ違いも設定されています
- Small Perloid :小ぶりで軽量。パール調のアクリル素材で高級感あり。
- Large Perloid :存在感のあるサイズ。見た目のインパクト重視。
- Vintage Step :段付きのクラシカルなデザイン。ヴィンテージギターに最適。
- Triangle Metal :70年代に登場したメタル製三角形ボタン。重厚で個性的。
- Ebony / Metal Chrome :木製や金属製で質感重視。高級モデルに多く採用。
ペグボタンまとめ:補足・注意点
「見た目を変えたい」「操作性を上げたい」「軽量化したい」など目的があれば、それに合った形状を選ぶのがポイントです。
失敗しないペグ選びのポイント再確認
- ギターのヘッド形状に合うビス角度か?
- 重量バランスを考慮した素材選び
- 交換可能な互換性のあるモデルか?
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Schaller M6 180の主な仕様
現行モデル「Schaller M6 180」の主な仕様は以下の通り。(2025年6月時点)

重量(マシンヘッド1個あたり)
参考値です。

※M6 Miniはさらに軽量(約30g前後)で、ストラト系などに最適です。
まとめ
今回は、Schaller M6ペグの仕様やボタンの違いについて、自分なりに調べてまとめてみました。
ペグひとつで、ギターとの向き合い方が変わることもあります。
ペグ交換だけで、あなたのギターは驚くほど“進化”するかもしれません。
ほんのささやかなパーツ交換であっても、もっと自分のギターへの愛着が深まるかもしれません。
もし、チューニングやパーツ選びで悩んでいる方がいたら、この記事の情報が少しでもそのヒントになれば嬉しいです。