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Gibson “The Paul”とは?70年代Norlin期の名機を徹底解説|“The Paul” 第1章(全8章)

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Gibson The Paul
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Gibson “The Paul”の魅力|70〜80年代Norlin期に生まれた“必然の銘器”

第1章:概要・スペック・Norlin期の特徴

※本記事は、以前投稿した「Gibson The Paul」についての長文記事を、分割・再構成したものです。

序章

今回は、私が愛してやまない「Gibson “The Paul”」の魅力をただ書き連ねるだけの記事です。

70~80年代、Gibson社。
当時の時代背景もあり、“暗黒期”や“迷走期”と揶揄され、ともすれば一部からは歴史の闇に葬り去られるのではないかというほどの言われようで、いたたまれなくなる、所謂「Norlin期」。

しかし果たしてそれは本当に“迷走”だったのでしょうか?

以下は「Gibson “The Paul”」の主な仕様と、その魅力の要点です。

ポイント
  • 薄い塗装(木材の鳴りを活かす)
  • 理想的な重量(バランスと音響)
  • 厳選された木材(ウォルナットとエボニー)
  • 材を活かすピックアップ(T-top)

字面だけでもプレイヤー目線の魅力が詰まっていると思いませんか?

Norlin期の“迷走”を逆手に取ったかのような“The Paul”は、むしろ「必然の銘器」といえます。

少しマニアックで、興味の無い方はもちろん、“vintage guitar”に造詣が深い方ほどあえて素通りしていかれるような地味で語られにくいモデル。

多様性の時代。あまり語られることのないNorlin期だからこそ、“used”・“birthday year”・“vintage”に興味を持ち始めた方の選択肢に「意外性」が加わるかもしれません。

オールドギター入門機で、レスポール系としては肝心な特徴“以外”が揃ったようなイレギュラーな系譜です。
ギター初心者の方には「各部の名称」や、改造、次にギターを購入する際の「着眼点」くらいとしてなら参考になるかもしれません。

“The Paul”の詳細を添えることにより「隠れた銘器」としての魅力を、少しでも感じていただけるよう紹介できればと考えています。 (もちろんデメリットもあります)
また、私にとっての“The Paul”がそうであるように、いつか「あなただけの未だ見ぬ銘器」に出会う一助になれれば光栄なことです。

少し長くなりますが、お付き合いいただければ幸いです。

はじめに

Gibson社のフラッグシップモデルであり、世界的に最も有名なエレキギターの一つと言っても過言ではない”Les Paul model”。

代表的な「Les Paul」を冠するバリエーションには、“standard”をはじめ、上位機種の“custom”やミニハムバッカー搭載の“Deluxe”などに分類されます。

更に年式による仕様変更やグレード、スチューデントモデルの“junior/ special”といった派生モデルなども含めると、レスポールシリーズだけでも数え切れないほどのバリエーションが存在することになります。

現在でこそ別シリーズ扱いですが、60年代の“SG”も“Les Paul”なのは有名な話です。

Amazonでの検索結果:Gibson Les Paul

レスポールシリーズに限らず、130年を超えるGibsonの長い歴史の中では、特定の年代にごく短期間のみ製作された、“銘器”か“迷器”か?と問われると大きく評価を二分するほどの個性的で魅力溢れるモデルも数多く存在します。

それは目立たず埋もれてしまっただけかもしれないし、時代を先取りしすぎたデザインやスペックかもしれない。

王道をゆく“Gibson製”でなければ許容されたかもしれない挑戦的で実験的な試行錯誤の産物もそこにはあったかもしれません。

今回紹介する“The Paul”もその一つ。

時代の波に翻弄され、抜本的な経営改革を余儀なくされたGibsonの“Norlin Era”(ノーリン期)と呼ばれる歴史の節目。

その激動の10年の内に生み出されたギターではありますが、Les Paulシリーズにおいて一際異彩を放つ隠れた銘器といえます。

The Paulの概要

製造期間は1978年から1982年と短命に終わったモデルで、スチューデントモデルの位置づけながら、高級材とされるエボニーと、エレキギターではあまり使用されることのないウォルナットを採用しているのが最大の特徴です。

Gibson The Paul

同時に発売された兄弟機に“The SG”があります。
(同時期に販売された“The 〇〇”でも、“The Les Paul”や“The Ⅴ”とはコンセプトが異なりそうです)

1981年からは“Firebrand”シリーズとなり、“335-s” (ES-335のソリッドボディ化モデル)もなぜか同シリーズの兄弟機となります。
(“L5-s”や“L6-s”のような“〇〇-s”は、ソリッドボディ化モデル)

マホガニーボディとなった後継機のFirebrand /The Paul Deluxeは1986年まで製造されました。

1996年には“The Paul II”が発売されましたが、こちらは薄型の“Les Paul Studio”に近いコンセプトといった印象。

そして40周年となる2018年には復刻が発表(発売は19年)されたほどなので、実は有名だったのかもしれないモデルです。

The Paulの基本SPEC

The Paulの基本SPEC

※重量は個体差あり。

購入時の弦ゲージ:0.10~0.46

Amazonでの検索結果:ギター 弦

※ナットのサイズを測ってみた“だけ”の記事はコチラ↓

ノーリン・Gibsonの主な特徴/変更点

Gibson社がECL/ノーリン傘下にあった1969年(もしくは74年)から1986年頃までを“Norlin Era”「ノーリン期」や「ノーリン・ギブソン」と呼びます。

“The Paul”を、もといノーリン期Gibsonのギターを語るうえで避けて通ることのできない特異性を、補足情報として先に説明しておきます。

それは『音楽シーンの変化と、工業化への移行期、ノーリンGibsonは経営再建や資材の枯渇といった制約を背景に、レスポールをはじめ多くのギターは様々な変更を余儀なくされた』ということ。
以下はその状況下で施されたレスポールの主な変更点。

Headstock
  • ラージヘッド化【規格の統一】
Neck
  • 構造上、衝撃に弱いヘッドストックをヴォリュートで強化【弱点の強化】
  • 折れやすいマホガニー・ネックを堅いメイプルに変更【剛性アップ】
  • ネックのねじれ対策に、1ピースから3ピースへ変更【品質改善】
Body
  • メイプル材をマホガニーで挟んだ「パンケーキ・ボディ」構造【良質材の活用】

Les PaulをGibson社のフラッグシップ(最先端)モデルと位置付けるなら、これら変更は一概に“改悪”や“迷走”とは言えません。

弱点の克服や、当時隆盛を極めていたROCKシーンがHR/HMへと移り変わるトレンドに呼応したものでもあります。

自分たちのおかれた環境下で可能な限り出来るだけのことをしたのであれば、方針としては合理的な判断だったともいえます。

※ヘッドストックの見た目の比較はコチラ↓

2019年以降のGibson

現在のGibson製品は、基本的には以下の3つに分類されるようです。

  • 「Custom shop」
  • 「The Original Collection」
  • 「Modern Collection」

Custom shop

Custom shop
  • Murphy Lab:「バースト期の再現」
  • Historic collection:「年式による特徴を復刻」

Regular Line

Regular Line
  • standard:伝統的仕様(~2008)⇒モダン仕様(~2019)⇒“traditional”廃止に伴い仕様見直し
  • ⇒The Original Collection/Modern Collection(2019~)
  • standard (The Original Collection):伝統的仕様(2019~2025年6月時点)
  • modern(Modern Collection):現代的仕様
  • traditional:伝統的仕様(2008~2019 廃番)

【広告欄】Gibson The Paul

ある日突然、堰を切ったように放出されることもあるのですが、最近ではめっきり玉数も減ってきました。

生産終了から40年。
さすがに塗装の剥げていない個体を探すのは難しくなりつつありますが、逆に塗装の剥げ方には安定した共通点が見られます。

S©ALETONE.のひとりごと

あまりにも長くなってしまったため、記事を8つに分けることにしました。

ふと別の章に出くわすことがあれば、最後までお付き合いいただけたら嬉しいです。

どこかの章で、あなたの琴線に触れることができたなら──それだけで十分です。

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