前回『概要編』に引き続き、ナカトミのスポットクーラー『mac-20 (ver.3)』について全三回に分けて紹介しています。
よろしければリンクより
第ニ回『続・概要編』
そして、たぶんこの記事には「電気代」で辿り着かれた方がほとんどだと予想されますので、もう少し下にある「目次」からひとっ飛びしていただけたらと思います。
※Amazonへのリンクに関して:出荷元・販売元が【Amazon.co.jp】とは限りませんので、よくご確認ください。
◆ナカトミ mac-20
◆テラス窓用パネル(大きな窓用)
これは大きな窓(高さ~190cm)用のオプションで追加購入品。
取り付ける窓枠の高さに応じて購入してください。
◆ダクトカバー
後述しますが、ほぼ必須アイテムになるかと思われます。
MAC-20の排熱ダクトの直径は約15cm(目測)です。
はじめに
『室内を冷やすものではなく、冷風を前に送り出すものです』という、プロの意見を私は支持したいとは思っていますが、口コミやレビューを見ていると高評価の中に私には実感できなかった「部屋全体を冷やす」というものが散見されたので、少し考えてみました。
↓スポットクーラーの特徴については『概要編』で↓
そしてレビューを見て気になったキーワードに「北海道」に関する記述が多いことが挙げられます。
2020年頃の北海道ではエアコン普及率は40%程だそうです。(2010年頃は20%以下)
北海道の気候は「夏は涼しく、冬は極寒」つまり夏はクーラーの出番があまり無く、冬はエアコンの暖房機能では力不足・電気代が高くつく、もしくは室外機が雪に埋まるために使用できないなどの理由から、ストーブ等がメインになると考えられます。
それが近年ヒートアイランドや温暖化で急激に暑くなったためためか、とりあえずお試しで手頃なスポットクーラーを購入される方が多いのかもしれませんね。
また建物の断熱性が本州に比べて優れているため、一度冷えた室内温度が外気温の影響を受けにくい。とも考えられます。
北海道の住宅のように断熱性・気密性が高い場合、排熱をちゃんとできれば本州での使用に比べると効率は良いかもしれないです。
鉄筋・鉄骨・木造・気密性・断熱性など住宅事情も性能に大きく影響を及ぼしそうです。
当たり前のようなことを、あくまで想像に基づく仮説で、一般論のように情報を垂れ流してみました。
さて、以下に紹介するのはスポットクーラー購入の際に、何か他の選択肢はないか?と検討した候補(+α)です。
なぜ今更とも思いますし、言う必要も無いことですが(“概要編”で散々言ったな)、私の置かれている環境からすると、スポットクーラーは結構早い段階から最適であることはわかっていても、それは最善ではなく、最後の手段だったのです。
「たぶん運命の白馬の王子様はきっとこの人…ではないことも無きにしもあらず」みたいな感じ?って訳でもないですが、行動を起こす前に「今の状況なら違う正解もあるんじゃない?」という選択肢はちょっとでも多い方が良いと思っただけの話です。
やっぱり当たり前のようなことを言ってます。
それでは第二回『続・概要編』始めます。
据付けエアコン
ごくごく一般的に普及している壁に設置するタイプ。
据付けられる壁があり、壁にダクト穴を空けることが可能で、室外機を置けるのなら、他を選ぶ理由は無いそうです。
種類が豊富で、色や大きさ・性能などメーカーによっても特徴があり、自分に合ったものを選びやすい。
最近は探せば安いものもあるし、電気代もスポットクーラーに比べて安いものが多い。
天井付近に設置なので邪魔にならないし、暖房にもなる。
私の第一希望ももちろん据付けエアコンでした。
置き型(床置き)エアコン
どちらかと言えば業務用のイメージ。
選択肢の1つとしては当初からあったのですが、室外機のダクト穴を空ける工事が必要だとは思っていませんでした。
なによりあまり普及しているようなものではないので選べる種類は少なく、比較的高価なものが多い。性能差はわかりません。
昔は旅館などでよく見かけたような気がします。
家庭用で小さくて10畳~といったところ。
窓用エアコン
窓枠に取り付けるタイプのもの。
スポットクーラーに似ていますが、こちらはエアコンです。
私の場合「工事不要」が絶対条件でしたので、実質的に(必然的に?)第一候補はこちらでした。
据付けタイプに比べると少し性能が劣る気はしますが、空間を冷やすことはできます。
室外機が内蔵された構造なのでスポットクーラー同様音が少し気になります。(慣れれば問題ないレベル)
以前別の場所で使っていた窓用エアコンに限って言えば、スポットクーラーのように始めの内は緩やかに空間が冷えるのですが、あるタイミングからガツンと室温が下がる傾向がありました。
扇風機を併用すれば満遍なく冷えやすいです。(窓用に限った話ではないですね)
工事不要ではありますが、重くて1人での設置は大変なので、サポートメンバーを召集したほうがいいです。(専用窓枠フレームに固定するような設置方法)
出窓やフィックス窓・天窓など、取り付けられない場合もあります。
電気代は据付けタイプに比べると高くなるものが多い印象。
隙間風・防犯対策は必要です。
簡易的な補助錠ですが最低限こういった対策はした方がいいかと思います。
天井カセット型
オフィスなどでよく見るタイプの空調です。
家庭用もあるみたいですし、スッキリしていて憧れますが、天井裏の工事は新築/リフォーム時じゃなければ敷居が高いので今回は見送り。
買い換え時に機種の選択肢が少ないことも考慮しておかなければ…。
冷風扇
簡単にいうと、扇風機の前に凍らせたペットボトルを置いたような仕組みなので、部屋全体を冷やせるようなものではありません。
扇風機
言わずもがな。です。
工場扇
家庭用に比べ、大きな羽や大型のモーターを搭載しているのが特徴で、タイマーやリズム風のような付加機能の無い、首振りのみのシンプル設計なものが多い(しか無い?)です。
家庭用の扇風機とは比較にならないくらい強力な風が吹きます。(弱でも家庭用の中以上)
モーター部分の比較
扇風機を探す際の選択肢の1つとしてはオススメ。
ただ“魁!!男塾”、Jのマッハパンチお披露目回に登場した扇風機のようで、正直怖いです。近くで見ると本当に怖いです。冗談抜きに安全対策は必須!スイッチ操作の時以外は近づかない!くらいの心構えで。お子様のいるご家庭には特に勧められないです。
一番奥の部屋から空気を押し出すように1台、玄関から空気を吸い出すように1台と、2台以上配置して熱い空気をリレーして外に排出する風の流れを作ると効果的です。
少なくとも風で揺れたり舞い上がるようなものは片付けておかなければいけません。
私はできるだけ行動圏内には置かないですが、それでもカバーを2枚被せてます。(精神衛生上)
電気代
十把一絡げに一般論化した他製品と主観のみを比較してイメージ先行で物を言い過ぎてしまうのはあまり褒められた行為ではないので、せめて基準となる電気代くらいは算出しておきたいと思います。
目安になるかはわかりませんが、以下を前提条件としてナカトミ「mac-20」の電気代を計算してみましたので、参考程度に。(2023年7月時点)
電気代は以下のように計算します。
単価は【電気料金明細】等、消費電力は【取扱説明書】等に記載されているはずです。
●各家庭の契約内容により電気使用料金は異なりますが、ここでは“1kW・1時間あたりの電力料金”である1kWh単価を仮に“31円”とします。
●消費電力:690~770W
ここでは最大とされる“770W(=0.77kW)”で一定して稼働していると仮定します。
◆まずは1時間あたりの電気代から
31×0.77×1=23.87
1時間あたりの電気代:『約24円』
◆次に1日(10時間)使用時
31×0.77×10=238.7
1日あたりの電気代:『約239円』
◆それが1ヶ月(30日)なら
238.7×30=7,161円
1ヶ月あたりの電気代:『7,161円』
◆夏の7~9月の期間(31+31+30=91日)、毎日10時間使用すると
238.7×91=21,721.7
一夏の電気代:『約21,722円』
ざっくりとですが、少しでも暑さを凌いで一夏を越えようとするとスポットクーラーだけで『電気代20,000円くらい』は覚悟しておく必要がある!という計算になります。
※上記計算はあくまで参考程度の仮定の話であり、当然のことながら、使用する、環境・頻度・状況・設定や、電力会社・契約プラン、地域などによっても大きく変動するので、ご自身で計算してみてください。
※ちなみに1日24時間点けっぱなしで1ヶ月(31日)だと
23.87×24×31=17,759.28
1ヶ月点け続けた場合の電気代:『約17,760円』
冷却効率を落とす可能性のある注意点
冷却効率が落ちるということは、色々な部分に負荷が掛かるということでもあるので、これ即ち電気代に跳ね返ってくるということになります。
ですのでたとえ機械であろうとフルパワーで働いてもらうためには快適に過ごせる環境作りが必要になってきます。
◆設置場所のスペースが充分に確保できていない。
本体正面から見て向かって右側面の下半分が熱くなるので断熱テープを貼ろうかと思ったのですが、貼らない方が良さそうですね。
◆排熱ダクトを接続していない。
◆排熱ダクトが変形している。
◆排熱ダクトに断熱対策をしていない。
◆排熱ダクトを延長する程に風量・効率が落ちる。
◆ドレンホースを接続すると冷却効率が落ちる気がする。(個人の感想なので実際のところはわかりません。メーカーに確認もしていません)
水捨ての必要が無いとされるノンドレン式といえど、タンクに水が貯まることがあるそうなので、タンクの水量(満水ランプ)はこまめに確認しておいたほうがよさそうです。
※追記:除湿能力は「60Hz:26L/日 50Hz:23L/日」だそうです。
私は冷風モードでもドレンホースを接続しています。
◆フィルターを掃除していない。
◆戸や窓・窓枠パネルに隙間がある。
◆カーテン全開で直射日光が入っている。
遮熱カーテン
などなどスポットクーラーに限った話ではないこともいくつか書いてます。
次回に続く
第三回「改造編」では、スポットクーラーの運転効率を落とさないために、まず初めにできる熱対策「ダクトカバー」を中心に、細々した改造についても紹介しています。
もし興味が御座いましたら、下記リンクから第三回『改造編』へお越し下さい。
第ニ回『続・概要編』
このテーマで紹介したもの
◆スポットクーラー
◆窓関連
◆ダクト関連
◆水回り